2023年11月21日火曜日

昨今のSNS上での誹謗中傷について

 あまり一般的なことを言ってしょうがないと思うので、最近、周囲で起こったことから。

精神科医の猪股弘明先生を中心に OpenDolphin-2.7m という電子カルテを開発しているチームがある。
ソフト自体の出来が良く、ドキュメントなども豊富なことから、例えば「これから電子カルテを勉強したい」という人に評判がいいようだ。


本来は、商用開発元のバージョンが主流とされていたのだが、出来が良すぎるがゆえに
 OpenDolphin-2.7m = OpenDolphin
とみなされていたりもする。


猪股先生自ら、あわてて「単なる派生バージョンです」と説明する一幕もあった。

ここまで普及・支持されると、やっかんでくる連中も多く、当然、誹謗中傷も発生する。
最近問題となったのは、小山哲央という人のツィート。
関係者が所属先(アーク情報システム)に連絡を取って、当人自身に削除させ広く拡散というような事態にはならなかった。
通り一遍という気もするが、一応、小山哲央から謝罪・訂正のツィートはあった。


私は、技術面にも明るくないし、法的な問題にも詳しくない。
ただ、「電子カルテ」に焦点を当てたとき、実臨床的にかなりまずい問題を孕んでいるように思う。

というのは、リンク先でいわゆる本家の OpenDolphin を持ち上げた内容だったからだ。

ある程度のキャリアのある医師ならば知っていると思うが、現在、商用開発元が扱っている OpenDolphin はほとんど使われていない。
私も、独自運用しているドルフィンは何度か見たことはあるが、商用版を使っている施設は見たことがない。
これには事情があって、現在、広く導入されているのはブラウザを端末とするクラウド型で、デスクトップアプリの OpenDolphin 自体を避けられる傾向があるからだ。
そして、まずいのは

 大半の OpenDolphin は現在のガイドラインの基準を満たしていない

からだ。

要するに小山哲央という男は、現状でも使用可能な OpenDolphin-2.7m にケチをつけ、もはや電子カルテとは言えないようなシロモノを正当化したわけだ。

電子カルテは語感からデジタルガジェットの一つのような印象を一般の人に与えてしまうかもしれないが、法的には、医療記録を記載する診療録だ。
基準を満たしていないソフトで記録された記載事項は、場合によっては診療録とはみなされないから、医療法違反となってしまう可能性がある

先に、「まずい」と書いたのはこういった理由による。

聞けば、小山哲央という人は医療資格は一つも持ってなければ、情報技師も持ってないそうだ。
また、彼が所属するアーク情報システムという会社も医療情報系のソフトは一切リリースされていないそうだ。

専門的な知識も経験も持ってない立場のものが、専門性の高い分野に介入してあたかもその上の立場から専門家を非難するというのは、極めてまずい。

コロナの時も似たような状況はあったが、安っぽい「正義」の側に立って医師などに対して誹謗中傷を繰り返した連中が、その後どうなったか、ちょっと想像を巡らせて欲しいものだ。

(追記)関係者が言うには Java(OpenDolphin の記述言語?開発言語)の知識・経験もそれほど高くないようです。
その程度の人が、人を非難してはいけませんね。